2012特集vol.7


現在開催中の軽井沢レイクガーデン “ローズフェスタ” 。
約400種、4500株の薔薇が咲き並ぶ会場に、全国各地から多くの人々が集まり、風に漂う芳香と美しい景色を楽しんでいる。本特集ではその様子を紹介する。


ローズフェスタ2012



ローズフェスタ2012薔薇の愛好家が全国から集まるローズガーデン


レイクガーデンは、50年の歴史を持つ別荘地レイクニュータウンの中に、2007年オープンした広大な庭園だ。5年目にして既に薔薇の愛好家の間で知名度が高いが、オープンしたての頃はほとんど広告をしていなかったという。現在に至るまでの経緯を、レイクニュータウン支配人 駒村泰義氏に聞いた。


「レマン湖の畔にクラブハウスを建て、その周囲にローズガーデンを創りました。オープン当初は広告を打たなかったので、口コミだけで評判が広がったようです。やがて専門誌に取り上げられるようになり、今では全国から多くの方に足をお運び頂いています」


近くにいたグループの女性に声をかけてみると、奈良から、福井から、など、さまざまな答えが返ってきた。
「広く親しまれる理由は、ガーデンの雰囲気を壊す商業施設がないこと。加えてガーデン内に湖があり、周囲全てが緑に覆われているため、日常とは違う別世界へ訪れたように感じるからだと思います。」と駒村氏。



新たに創られたフレンチローズガーデン


「今年は新たな取り組みとして、イングリッシュローズガーデンと、フレンチローズガーデンという、2つのエリアに大きく分けたんです」そう言って、駒村氏はまず入口を入ってすぐ右手側のフレンチローズガーデンを案内してくれた。薔薇とクレマチスの華やかなアーチが取り囲むボーダーガーデンだ。左手にはレマン湖の眼鏡橋を望むことが出来る。


ローズフェスタ2012ローズフェスタ2012


ここにはフランスの名門育種会社デルバール社の薔薇をはじめ、日本ではまだ少ないオラール社、ドリュー社の薔薇を地植えの状態で見る事ができる。


「専属アドバイザーである大野耕生さんと相談しながら、植栽を行っています。大野さんは常に、花色が美しいグラデーションを描くよう、プランを練られているので、これからの成長が楽しみです。大野さんお気に入りの薔薇もここにあります。ローズ・ポンパドール(写真左上)というデルバール社の薔薇です」
香りを試してみて、と勧められて顔を近づけると、まるで香水のように完成された優雅な香りがした。



湖に浮かぶ薔薇


駒村氏の案内でフレンチローズガーデンを出ると、湖に向かって薔薇を投げているスタッフの姿があった。レマン湖の魚は薔薇が大好物なのだと言う。「ここにいるのは、ソウギョという中国原産の淡水魚です。普段は湖の藻を食べています。そして特に薔薇の花が大好物なんです。だから摘んだ花がらはいつも湖に投げ入れています。かなりの量がありますが、夕方には綺麗になくなっているんですよ」


ソウギョは慎重な性質で、人の影が見える場所には寄ってこない。食べるところを見たい場合は、出来るだけ遠くへ投げ入れるのがコツだそうだ。大きな花をパクリと一口で食べてしまう光景は、見ていてなかなか面白い。是非、試してみて欲しい。


ローズフェスタ2012ローズフェスタ2012



格式あるイングリッシュローズガーデン


英国風クラブハウスの前には、格式あるイングリッシュローズガーデンが広がっている。「毎年、大野氏の指示のもと、剪定を行っています。湖沿いに並ぶメアリーローズの生け垣も、思い切った剪定が行われました。その結果、通常9センチ前後のメアリーローズが、今年は13センチを越える大輪となって、花開きました」と駒村氏が教えてくれた。


ローズフェスタ2012ローズフェスタ2012

ローズフェスタ2012
大野氏は気鋭のローズグロアー(薔薇の栽培家)として、バラ園のデザインや植栽のほか、園芸番組の講師、各地の講演などで活躍中だ。


レイクガーデンを「自分の庭」と称し、設立当初からプランに携わってきた。そのアドバイスのもと発展してきたレイクガーデンは、英国王立園芸協会日本支部の提携ガーデンに認定され、会報誌でも紹介されている。


大野氏は6月29日(土)・30日(日)の2日間、ローズフェスタにてトークショーと、ガーデンウォーク&レクチャーを開催。薔薇の楽しみ方や、育成方法について多くの来場者と言葉を交わした。また今年は、草月流 竹中麗湖氏とのトークセッションも行った。



ローズフェスタ2012開花を知らせるアプローチ


大野氏と共に、設立の頃からレイクガーデンの管理に携わっているチーフの永井勉氏に話を聞いた。


「初めは軽井沢の気候でローズガーデンを創る事が出来るのか分かりませんでした。それで駐車場からガーデン入口までのアプローチを試験場にして、様々な種類の薔薇を栽培したのです」


その結果、思っていたよりも多くの薔薇が栽培可能であることが分かった。


「イングリッシュローズの生育が良かったので、まずはそれをメインにしましたが、経験を重ねるうちにフレンチローズも大丈夫だという確信を持ち、今年、新たにフレンチローズガーデンを創ったのです」


試験的に植えられた薔薇は、今もガーデンのアプローチで花を咲かせ、来場者を華やかに迎えてくれている。同時に薔薇の開花状況を、入場前に報せるという役割も果たしている。誰もがここを通ると、これから向かうガーデンのことを思い、胸躍らせる。



ローズフェスタ2012軽井沢の季節を彩る宿根草


レイクガーデンは、宿根草の種類の豊富さでも有名だ。それについて永井氏に話を聞いた。


「宿根草については、専属アドバイザーである中沢まゆみさんに指導をしていただいています。軽井沢という土地は、南と北で環境が違い、育つ植物も全く違います。ガーデン内に植えた植物も、合うものは大変良く育ちますが、合わないものは全くダメ。そうして年々、淘汰されていきました。今年はその経験を生かし、この土地に合うと思われる宿根草を大分、増やしました」


庭園を囲む外周園路を歩くと、さまざまな植物に出会う事ができる。軽井沢に庭を持つ人は、よくここを訪れて、ガーデンプランの参考にしているそうだ。


エントランスの壁を飾るハニーサックルは芳香があり、お客様を迎えるウェルカムフラワーとも呼ばれている。剪定が成功して今年は特に花が多いらしい。湖を覆うアサザは、準絶滅危惧に指定されている植物だが、レマン湖の環境がよく合っていたようで、今では増えすぎ間引きをしているそうだ。


ローズフェスタ2012ローズフェスタ2012


「いろいろ試しているうちに、この場所は南の植物も、北の植物も、どちらも育つ珍しい環境である事が分かりました。そのおかげで多くの種類の植物を楽しむ事が出来ています」と永井氏は語ってくれた。


ローズフェスタ2012


ガーデン内にはその他にも、日本最大級の長さを誇るフレグランスローズパス、湖の中心に位置するウッドランド、ラビリンスガーデンなどがあって、見所は尽きない。


そんな中を、オックスフォード大学で使っていた由緒あるパンティングボートに乗って巡る水上ツアーが、ローズフェスタ中に催された。パンターの舵でゆっくり進む船の中、見上げるガーデンの景色は、格別だ。


他にもフェスタでは、珍しいゴシックハープ・アイリッシュハープ・グランドハープ・小さいハープを使った合奏が行われた。薔薇の香り漂う中で聞く音楽は、聞く者全てを夢見心地にさせてくれる。


ローズフェスタ2012ローズフェスタ2012



ローズフェスタ2012
秋まで楽しめるローズガーデン


取材中に、新郎新婦と出会った。見頃の薔薇と共に記念の写真を撮りたい、と訪れたとの事。
ローズフェスタは7月8日までだが、薔薇はその後も咲き続ける。2番花が見頃となる8月11日(土)・12日(日)には、サマーフェスタも予定されている。


日本屈指のローズガーデンの、今年の薔薇を是非、香りと共に楽しんで欲しい。朝の10時までが、最も美しく香しい時間帯だそうだ。現在開催中のローズフェスタに関する詳細はこちら


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