2012特集 ジーロ・デ・軽井沢


2012年5月26、27日に新緑の軽井沢で開催される「ジーロ・デ・軽井沢」。ヨーロッパのヒストリックカーたちが映画や写真の世界から飛び出し、350kmの距離を2日間に渡って駆け抜ける。
本特集では今年で第11回目を迎えるレースの、魅力や見どころを主催者の思いを交えて紹介する。



2012特集 ジーロ・デ・軽井沢

シックスティーズカンパニー 細江良氏

テーマは「走る!車の博物館」ジーロ・デ・軽井沢とは


2002年から開催されてきたジーロ・デ・軽井沢は、総距離350kmをタイムラリー形式で競うヒストリックカーレースだ。スピードではなく、一般道に置かれた数カ所のチェックポイントを、指定された時間に法定内の速度で、いかに正確に通過するかを100分の1秒で争う。


ジーロ・デ・軽井沢とはイタリア語で「軽井沢での周遊、小旅行」を意味する。主催者シックスティーズカンパニーの細江良氏は、毎年5月のこの時期に開催される理由を「赤や黄色、青などのカラフルな車と緑の木々のコントラストが最高。昔の車はオーバーヒートなどのトラブルを起こしやすいのですが、暖かい今はそれが少なく、安全性も高いのです。」と語る。古き良き時代の名車たちと新緑の軽井沢、最高のシチュエーションが揃った、究極のヒストリックカーレースと言えるだろう。



他では味わえないジーロ・デ・軽井沢のこだわり


今年の参加台数は43台。エントリーの条件には「ヨーロッパの車で、戦前から1969年までの型式」と定められている。1969年までに縛るのは、70年以降の車がネオクラシックカーと位置づけられているからだ。ジーロ・デ・軽井沢ではさらに主催者側が、排気量や年式、スピードや重量でランクをつけ、出場できるか否かをジャッジ。選ばれた車だけが参加できる仕組みになっている。


タイムラリー形式は「時間」との戦い。各チェックポイントに路面センサーが張られ、100分の1秒まで計測できる装置が設置されている。装置は何年も改良を重ねて、ここまで精度を上げてきた。


レース当日の朝、ドライバーは初めてロードブック「コマ地図」を手にする。コマ地図は普段目にする地図とは違って、「何メートル走って右」「何メートル走って左」という指示しか書かれていない。
ここで重要となるのが助手席に座るナビゲーターの役割だ。コマ地図を的確に読み、時間を計測しながらドライバーを誘導する。ドライバーとナビゲーターの協力なくして、ジーロ・デ・軽井沢のゴールは目指せない。


ヒストリックカーならではのエピソードもある。昔の車はオープンカーが多いので、雨が降るとコマ地図が濡れてインクがにじみ、読めなくなってしまう。そこで出場者は、コマ地図を渡されるとまず1枚1枚をクリアホルダーにはさんで濡れないように対策をとるそうだ。レース当日、スタート地点で車内の様子を注意して見れば、他にも様々な工夫が発見出来るかもしれない。



ドライバーも観客も走りながら楽しめる ジーロ・デ・軽井沢の今年の見どころ


今年エントリーされた中でいちばん古い車は、1937年イギリスのモーガン。木材によるフレームでハンドメイド仕上げという、今ではありえない車だ。日本で唯一動く幻のBMW507ロードスターも大変貴重。さらに俳優の唐沢寿明氏も愛車のポルシェ356で2回目の参戦を予定している。


今年の軽井沢町内のコースは、浅間プリンスホテルをスタートし、新緑深いチェックポイントの塩沢湖タリアセン、森泉郷を経て、万座方面へ抜けていく。この2ヶ所が見学のおススメポイント。


2012特集 ジーロ・デ・軽井沢

写真:ジーロ・デ・軽井沢Webサイトより



最後に細江氏は「古い車は究極のエコカーだと思っています。昔の車は今と違って、ハンドルは重くて手の皮は剥けてしまうし、クラッチも重くて壊れやすく、とても扱いづらい。手間と愛情をかけてなければすぐに壊れてしまいます。言い換えれば、それを惜しまなければ何十年も乗ることができるのです。そんな車への想いや情熱を、ジーロ・デ・軽井沢では感じることができるはずです。」とレースの魅力を語ってくれた。




2012年5月26日、27日。前日の雨でさらに新緑が鮮やかになった軽井沢で、ヒストリックカーレース

「第11回ジーロ・デ・軽井沢」が開催された。

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ここ数年、雨に悩まされていた本大会であったが、今年は天気も良く、初夏を感じられるような陽気で、絶好のドライブ日和となった。

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両日ともスタート地点は浅間プリンスホテルで、1台ずつ3分間隔でスタート。エントリーされた車は43台。ゼッケンは年式順に付けられている。エントリーナンバー1番は出場している車の中で最も古い車、1937年の「モーガン4/4」。昨年はじめての出場で堂々の4位だった。今年はさらに上位を目指す。

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コースは毎年少しずつ変えているという。軽井沢町内のコースの中でいちばんの見所だったのは「軽井沢タリアセン」。緑のアーチに囲まれた坂道を次々と下ってくる車は、まさに映画のワンシーンを見ているかのよう。ギャラリーも大勢待ち構えており、ドライバーや助手席のナビゲーターは笑顔で手を振り返してくれていた。

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途中、道に迷ったりマフラーが脱落したりとアクシデントはあったものの、大きなトラブルもなく27日13:30、全ての車が無事ゴールを迎えることができた。最後の表彰式が浅間プリンスホテルで行われた。

総合1位は、1954年「TRIUMPH TR2」。後半のチェックポイントで安定した時間を刻めたことが優勝に結びついた。エントリーナンバー1番「MORGAN4/4」は、昨年から順位を一つ上げて3位に。ドライバーの平野さんは「今年は景色も堪能でき、レースを満喫することができました。来年は2位を目指します。」と喜びをコメント。初参戦だったエントリーナンバー36番「TRIUMPH TR3」のドライバー安藤さんは「とても楽しいレースでした。7位に入賞できてびっくりしましたが、また来年も参加したいです。」と感想を話してくれた。

エントリーナンバー17番、俳優の唐沢寿昭さんは10位に入賞した。

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主催者シックスティーズカンパニーの細江良氏は、「たくさんの人たちの協力で無事に大会を終えることができました。今まででいちばんエントリー台数が少なかった大会になりましたが、とてもフレンドリーに楽しい時間が過ごせたと思います。来年はもっと出場者同士の交流を充実させたいと思います。」と、最後に締めくくり、長いようで短かった2日間の動く博物館「ジーロ・デ・軽井沢」は終わった。

「古い車はたまに駄々をこねて世話も焼けますが、誠意を持ってメンテナンスすれば必ず期待に応えてくれます。」という平野さんの言葉が印象に残っている。主催者の細江さんも「ヒストリックカーは究極のエコ」とインタビューのときに話してくれた。便利な新しいものが毎日のように作られ、私たちの生活になじんできている中、物の大切さを改めて考えさせられたレースでもあった。

-Photo ギャラリー-

 

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