2012美しい村特集vol.5


今年も6月14日から開催されている軽井沢タリアセン “薔薇の祭典”。寒い季節の長い軽井沢では、誰もが心待ちにするイベントの一つだ。
とうとうそのイングリッシュローズガーデンで、薔薇が咲き始めたという報せが届いた。本特集では、その様子を紹介する。



緑輝く6月の軽井沢


庭園には200種類の薔薇、約1800株が栽培されている。この地に薔薇を植えようと考えた理由について軽井沢タリアセンの藤巻傑氏に話を聞いてみた。


2012薔薇の祭典


「6月の軽井沢は緑が特に素晴らしいのです。タリアセン内の塩沢湖の水面にも、濃い緑が映り込み、幻想的な光景が広がります。一人でも多くのかたにこの季節を楽しんで欲しい。しかしなかなか緑だけでは、注目して頂けないのが現実です。そこで軽井沢の薔薇は6月に咲き始める、ということに目をつけました。薔薇の開花を告げれば、多くの方に足を運んで頂けるのではないかと」


藤巻氏の言う通り今の時期、タリアセンの湖畔に佇む睡鳩荘(すいきゅうそう)の景観は素晴らしい。緑と赤茶色の壁のコントラストが湖面に映り、絵画のような美しさだ。2009年2月には、「軽井沢緑の景観」 特別賞を受賞している。


2012薔薇の祭典2012薔薇の祭典



軽井沢の景色に溶け込むローズガーデン
2012薔薇の祭典
2012薔薇の祭典これだけ広大な庭園であれば、勿論、専門の業者がプランやメンテナンスに加わっていると思い、それについて尋ねると、驚くべき言葉が藤巻氏から返ってきた。「業者は入っていません。タリアセンの人間が、庭園設立当初から今まで、ずっと管理してきました」


薔薇の管理には、植え付けの際の土作りから始まり、追肥、消毒、剪定など、多くの手間を要する。ましてやこれだけの規模となると、その負担は計り知れない。


「十数年、薔薇を世話しながら研究を続けていますが、まだまだ分からない事はたくさんあります。手間も勿論、かかります。それでも私たちの手で育てるという方針は変わりません。プロのガーデナーではないから、刈り込まれた生け垣や、素晴らしいアーチは作れない。でもこの土地の人間ならではの目線で、軽井沢のもともとある緑に溶け込むローズガーデンを目指しています。」


確かにタリアセンは、昔ながらの自然が残る場所でもある。園内を流れる川には、ゲンジボタルも姿を見せる。そんな場所に人工的な造形は似合わないだろう。



イングリッシュローズの清楚な美しさに魅せられて


「この庭園は東南の方角に山があるため、日当りが弱く、花も小さめに開きます。しかしもともと小さく咲くイングリッシュローズの清楚な美しさに魅力を感じていましたので、問題にはなりませんでした。ガーデン内には大輪咲きのフレンチローズも所々ありますが、やはりメインはイングリッシュローズです。」


2012薔薇の祭典


イングリッシュローズとは、比較的新しい品種の薔薇で、オールド、モダン、ハイブリッド・ティ、フロリバンダとの交配によって作り出されたもの。豊かな芳香に加えて、多彩な色と夏季咲き性を持たせた品種なのだそうだ。


力を注いでいるイングリッシュローズの中で、特にお勧めのものは、と尋ねると。昨年植えたばかりの新種の薔薇を紹介してくれた。「ウィリアム アンド キャサリン」その名の通り、英国のウィリアム王子とキャサリン妃の結婚を記念して名付けられたデビッド・オースチンの薔薇だ。丸いシャローカップ咲きで、たくさんの花びらが重なるオールドローズの特長を引き継いでおり、やわらかなクリーミーアプリコット色から純白へと変化する。この日はまだ蕾だったが、数日中には開くだろう。是非、ガーデン内でその美しい姿を見付けて欲しい。



咲き始めが美しい


「薔薇は、咲き始めが美しいと言い、蕾がまだ多く見られるこの時期に、わざわざ足を運ぶ愛好家の方が多いのです」と藤巻氏。


確かに満開の株は華やかだが、よくよく見れば既に色を失った花もあることに気付く。それに比べ、無数の蕾の中、開き始めたばかりの一輪は生命力に満ち、瑞々しい輝きを放っている。


2012薔薇の祭典2012薔薇の祭典


6月の雨を吸って、晴れ間に咲く薔薇の美しさは、他に例えようがない。これから次々と花開くタリアセンの薔薇。是非、見逃さず楽しんで頂きたい。


軽井沢タリアセンでは”薔薇の祭典”の期間中、『假屋崎省吾の世界 in 軽井沢』を始めとする、様々なイベントを開催している。詳細はこちら


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